漢字の字体
日本語の主要文字として使われる漢字は紀元前2,000年頃と推定されている甲羅や骨に刻み込まれた甲骨文字が最初に登場し、その後金文、大篆、篆書体(小篆)、隷書体、草書体、行書体、楷書体と書道と共に発展した。その後印刷の登場で、宋朝体、明朝体、ゴシック体が主要な字体となり、さらに電子デバイスではゴシック体の一強となり今に至る。
甲骨文字
- 最初の漢字として登場
- 亀の甲羅や骨などに彫って字を書いた
- 現在はほぼ使われない:特殊な書道
- 利用率:0%
金文
- 銅鐸など金属類に彫って字を書いた
- 現在はほぼ使われない:特殊な書道
- 利用率:0%
大篆
- だいぶ整理されてきたがまだまだ象形文字
- 亜流が多数存在しかなり字体が異なる
- 現在はほぼ使われない:特殊な書道
- 利用率:0%
篆字体(小篆)
- 始皇帝が全土統一に合わせて字体の全国統一を目指してまとめたもの
- 頻度は低いが現在も格式高い字体としてパスポート表紙、印鑑などで使用
- 利用率:0%
隷書体
- 書きにくい篆書体を書き易さ重視で作り替えた書体
- 以降に生まれる各書体の基本形と考えられる
- 頻度は低いが現在も格式高い字体としてお札、表彰状などで使用
- 利用率:0%
草書体
- さらに速く書ける様に崩した書体。最初は草隷と呼ばれていた
- 筆と紙の発達と共に、中国や日本の標準的な書体となった
- 頻度は低いが現在も使われる:書道一般
- 利用率:0~1%
行書体
- 隷書体から草書体とは別で元の字体が分かる程度に崩された書体
- といいつつ行書体と草書体の中間のような書体もある(行草)
- よく使われる:手書きメモ、書道一般
- 利用率:2~5%
楷書体
- 隷書体から草書体や行書体と別でカッチリとした字体で生まれた書体
- 美しい手本が中国に多数存在する
- よく使われる:手書きメモ、書道一般
- 利用率:2~5%
宋朝体
- 宋朝時代に登場
- 手書きから印刷への移行で最初に登場した書体
- 頻度は低いが現在も使われる:印刷
- 利用率:0%
明朝体
- 明朝時代に登場
- 印刷の標準書体とした中国や日本で確立された。
- 多用される:新聞や本など印刷物一般
- 利用率:20%
ゴシック体
様々なフォントの登場
- 印刷の世界でデザイン性の高いフォントが活用される
- PC主体となった今、膨大な種類のフォントが存在
- しかしながら現在も主流は明朝体とゴシック体
全体的な字体の変遷
- まず甲骨文字が登場し、洗練された金文となり、大篆では様々な亜流が発生
- 始皇帝が篆字体(小篆)に統一
- それが隷書体に進化(統一を維持)
- 用途別に草書、行書、楷書が生まれる(分化)
- 印刷の登場と共に宋朝体、よりエレガントな明朝体が生まれ印刷の覇者へ
- 最後に生まれたゴシック体が電子デバイスで最も使われる勝者になった
基本的にフォントの違いと言える程度で読むのにさほど困らないものは、隷書体、行書体、楷書体、宋朝体、明朝体、ゴシック体、その他フォント。
知識が無いと読み難いのは甲骨文字から篆書体までと草書体で、この読解力に関しては日本人も外人も大差ない。